年に数回の雪ならスタッドレスタイヤは不要? 3つの対応策

冬に本格的な寒さを迎えると、そろそろスタッドレスに換えようと準備をする方も多いと思います。雪道では必須とされるスタッドレスも地域によって普及の具合は大きく異なります。私の住む名古屋では雪は降って積もるのは年に1~2回、さすがに雪道となるとノーマルタイヤは厳しいためスタッドレスタイヤを装着する人も少なくありません。


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スタッドレスタイヤって本当に必要?

スタッドレスタイヤ装着で確保しなくてはならないのが予備のホイールとタイヤを保管する場所です。戸建てで広いスペースなら気にすることも少ないですが車の台数が多くなればより大きなスペースが必要となります。ほとんど雪が降らないような場所にスタッドレスタイヤを装着するメリットはあるのか、個人的に疑問になって調べてると本当にスタッドレスを必要とするのはごく一部だと感じたのでまとめてみます。特別にスタッドレスを否定する目的では無いので悪しからず。

スタッドレスを使い切る条件が厳しすぎる

軽自動車から普通車まで多くの種類のスタッドレスタイヤがあります。タイヤを使い切らず早々と捨てたいと買う前から考える人はごく少数かと思います。しかし、スタッドレスタイヤを使い倒すハードルが大きすぎると疑問に感じる人も多いでしょう。私もずっとコストを考えると使い倒せないと判断し最近では確信に変わりました。

タイヤの溝と使用期間による寿命

スタッドレスタイヤが使用限界はタイヤの溝の深さの指標となるプラットフォームと使用年数の2種類から成ります。スリップサインはタイヤの種類を問わず、タイヤの残りの溝が1.6mmになったら交換が必要になりますが、スタッドレスタイヤの場合はスリップサインだけでなく性能低下を知るためにプラットフォームを確認する必要があります。プラットフォームについてはブリジストンの公式ブログで分かりやすく説明があります。

スタッドレスタイヤにももちろん寿命があります。寿命を迎えたスタッドレスタイヤは、本来持っている氷雪路での性能が発揮されないだけでなく、乾いた...
距離の目安

使用距離で換算するとアクセルワークや走行条件で変化してしまうので具体的に表現しにくいですが、新品タイヤの溝を10mm、プラットフォームを50%(5mm)、1mmあたりタイヤを摩耗する走行距離を4000kmとすれば単純計算で5mm×4,000km=20,000km程度が目安になります。プラットフォームが露出したまま走るとスタッドレスタイヤとして機能しなくなるので10,000kmを超えたらタイヤを目視で確認した方が良いです。

夏タイヤと比べるとスタッドレスタイヤは柔らかく摩耗しやすいです。だいたいの距離なので中には10,000kmももたずに交換する方もおります。

期間の目安

使用年数として、スタッドレスタイヤもゴムを使っているので使わず放置するとゴムが硬く劣化するため性能が低下してしまいます。一般的にスタッドレスタイヤの寿命は3~4年のものが多いです。家庭にある輪ゴムならばイメージしやすいと思いますが、使っても使わなくてもゴムは劣化してしまうので見た目が大丈夫だと思っても使用は控えるべきです。

またスタッドレスタイヤの致命的な弱点として雨で濡れた路面(ウェット)やドライ性能など他のシチュエーションに向かないことが有ります。雪以外ではスリップしやすくなるので、冬以外は交換する必要があり年中使うことができません。1年のなかで12月~2月に装着した場合、年間10,000走行で3~5年と使える計算になります。

週末のレジャーに使うような限定的な場合はレンタカーを借りた方がタイヤを考えずに済むので便利です。本当にスタッドレスを必要となるのはふだんの環境に特別な条件があるときのみと思います。

コスパの良い雪対策のまとめ

スタッドレスが無い最大のデメリットは万が一雪が降ったときに行動が制限されてしまうことです。頻繁に雪が降らないのであれば落ち着いて考えると他の手段で場を切り抜けることができます。

1.雪道を避けて車で出かけない

雪が年に数回程度の地域であれば1週間ずっと雪なんてことは無いでしょう。今まで降ってなかった地域で突然降るというのは極めて確率が低いので道路に影響あるのもせいぜい1日です。

車を持っているメリットを失わってしまうと言う人もいるかもしれませんが、家から一歩も出ないということではありません。何日間も足止めされない限り雪の日だけタクシーや公共交通機関を使った方が経済的負担も小さくなります。

クロスオーバー7でスタッドレスを履くとなると見積もりを何店舗かしたところ安くても10万円は超えてしまいます。

クロスオーバー7の場合
(タイヤとホイールのセット税込み価格。工賃諸経費は別途。)

  • カー用品店:ダンロップ WINTER MAXX 01 127,040円
  • タイヤ専門店:ブリジストン VRX 172,200円

見積もりは純正とタイヤ、ホイールサイズを揃えたもの(215/50 R17)です。諸経費はカー用品店が11,520円、タイヤ専門店では10,800円と気持ちタイヤ専門店が安くなりました。在庫状況によって同じタイヤでも大きく価格が異なり、カー用品店ではブリジストンのVRXも147,040円と安くなりました。

タイヤ専門店ではサイズの種類を多く揃えていたためホイールのインチダウンをする提案もありました。16インチへダウンをした場合17インチでは値段の高かったVRXのホイールセットで127,360円とコストを抑えることができます。

軽自動車でも見積もりに行ってみました。車種はワゴンRを想定しホイールはあらかじめコストを抑えれるように13インチ(155/65 R13)で算定しました。

軽自動車の場合
(タイヤとホイールのセット税込み価格。工賃諸経費は別途。)

  • カー用品店:ダンロップ WINTER MAXX 01 46,240円
  • タイヤ専門店:ブリジストン VRX2 59,656円

工賃はカー用品店が8,840円、タイヤ専門店が7,344円とここでもタイヤ専門店の方が安いです。タイヤ専門店では旧型のVRXが在庫切れとなり新型スタッドレスしか無かったため価格が少し割高です。カー用品店では
タクシーで移動したとして、スタッドレスタイヤにかかるコストとタクシー代で計算すると距離が数km程度なら往復してもおつりが帰ってきます。

雪でも車を使いたい。でも出費は抑えたいなら…

通勤など意地でも車を使うことを迫られる状況がある場合、スタッドレスを使わずに対処する方法は以下の方法があります。

2.オールシーズンタイヤ

アメリカやヨーロッパでは人気のあるオールシーズンタイヤです。スタッドレスタイヤを装着しようか悩みはじめた頃ディーラーで担当の方から聞き知ったのですがなかなか需要にマッチした商品です。

力強く見えるトレッドパターンからSUVだけでなく輸入車のドレスアップとして人気があります。オールシーズンタイヤを使う最大のメリットは季節を選ばないのでスタッドレスタイヤのように余分にホイールを準備する必要が無いことです。

国内で販売されているものはおすすめの順番でグッドイヤーの「Vector 4Seasons Hybrid 」、ヨコハマタイヤの「BluEarth-4S AW21 」、ピレリの「SCORPION VERDE 」があります。

Vector 4Seasons Hybrid

オールシーズンタイヤの歴史があり、スタッドレスタイヤに対しては不評もあるもののオールシーズンタイヤでは高速の冬タイヤ指定もクリアでき信頼感があります。サイズの種類が豊富で適合車種の幅が広いです。

BluEarth-4S AW21

クロスオーバー7の純正タイヤと同じ生産メーカーです。他社と比べて(試験速度は異なりますが)ウェットでのブレーキ性能が夏タイヤに最も近いです。ハンドリングなど純正から変化しにくい安心感があります。

Scorpion Verde

F1レースで有名なピレリからオールシーズンが登場しました。残念なのはサイズのバリエーションが少なすぎることです。タイヤメーカーとしては信頼できるメーカーだけに惜しいです。

3.スプレーチェーンを使う

タイヤにスプレーするだけでタイヤの表面にミクロのスパイク状の滑り止め効果が得られます。セカンドカーに使用していますが、ノーマルタイヤのランドクルーザーがスリップしているような場所も難なく走れました。1回のスプレーで70km走れると宣伝されており、出先で万が一の雪に備えて車に冬は用意してます。

使用している限りスリップしたことはありませんが、やはり過度の期待は危険だと思うので緊急時に留めておくのがベターでしょう。ノーマルタイヤそのままよりはマシと気持ち程度に考えています。

まとめ

積雪地域なら必須となるスタッドレスタイヤも地域によっては使用できる環境は制限されます。スタッドレスタイヤを装着することで雪道では安全性を確保できますが雨の日や導入コストを考えると見合った対価が得られるとは簡単には言えません。

最終的にどんな装備をしても絶対に安心だと言い切れるものは無いので事故を起こさないように気を付けてください。最終的な判断は自己責任でお願いします。

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